直島から犬島に渡り、
驚いたのは人の少なさ、当然のことながら高松から直島へは定員500名と船も大きく、
直島から犬島へは、ラブバードという定員65名の高速艇で、後で調べたら犬島の人口は2016年9月30日現在で49人という、とても小さな島。
私の叔父さんが住んでいた、詫間町の粟島の人口を調べると289人となっていたので、犬島は粟島より遥かに人口が少ない。
幼い頃は毎年のように夏休みには粟島へ行き、漁師だった叔父さんの船で漁に出かけたり潮干狩り、海水浴、カブトムシ取りなどに夢中になっていた。
もう、確か90歳をこえた叔父さんは粟島に家を残したまま今は大阪に住んでいる。こんなに、瀬戸内の島々がアートになっているのは知らず、できれば叔父さんに家を借りて、週末だけのゲストハウスみたいな事を粟島でやってみたいと思えた。
余談が過ぎたが、
初めて訪れた犬島は、車を見る事も少なく、
化石燃料で動く乗り物を見たのは島の郵便屋さんぐらいだった。
細い道、くねくねとした道、視界に開く海、そして青い空。
チケットセンターがあることも知らず、
犬島精錬所美術館へ向かう、
小さな門があり、
確かに、犬島精錬所美術館と書かれているが、
人はいない・・
崩れた煉瓦、木が石化したかのようにも見えた、カラミ煉瓦は無機質でとても強さを感じた。
こんな、カラミ煉瓦の工場跡だけでも興奮できる。
きりが無いほど夢中でシャッターを切り、精錬所美術館へ
不思議な、反射を利用したアートと三島由紀夫氏をモチーフとした作品が展示されていた。
暗闇や、黒と赤など、少し恐怖を感じる作品は、動揺させられる。
美術館を後にして、
裏側の丘から、煙突を眺め、
アートプロジェクト、ハウスプロジェクトと徒歩でゆっくりと見てまわった。
この不思議な島から離れる前に、
出会った5人の若者はアルゼンチンから30時間かけて日本に来たそうだ。
東京、京都などを回り15日間の滞在だそうだが、どこが一番日本で良かったかとの問いに、
彼ら全員が、「この島」だと答えた。
愛知県から1人来ていた女性は、この瀬戸内の島々にもう5回も来ていると言われていた。
ゲームやインターネット、近代のハイテクノロジーがあってこそ、
こんな小さな島の情報が世界各国に流れ、遥か遠くから何十時間もかけてくる機会が生まれる。
私たちが、ヨーロッパの石畳、家屋や芸術、アメリカの自由な空に憧れるのと同じように、世界中の多くの人が、日本の瓦屋根や土壁の家、
やさしく、素朴な人たちに魅了されていることも確かではなかろうか。
整備された観光地も良いが、時にはこんな離れ小島でゆっくりと動く雲を眺めていたいと思わせる。
そろそろ時間となり、
豊島で降りるつもり・・・ 、降りたのだが、高松行きの船の時間を考え、豊島は寄らずに高松に戻った。
がさがさとせず、
何か心地の良い高松港で、また写真を撮りながら帰路についた。
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