First frame member – ARESiG

Custom Frame、ARESiGを発表し、KENTO FORKを製作した。次のプロダクツは、カスタムフレーム。ARESBIKESのWEBに公開するか、このポートフォリオにて紹介するかを悩んだが、このプロジェクトは自分自身の塊（カタマリ）でもあるので、私自身のポートフォリオとして書くことにした。

先ずは、製作にかなりの時間を要したヘッドチューブ。上記の写真は２種類のサイズで、100mm(Left),90mm(Center)、そしてスパニッシュサイズのボトムブラケット(Right)。ひとつひとつが、CNCで削りだされたスペシャルチィーブ。ボトムブラケットには、ARESIGと受注した日付をシリアルナンバーとして刻印した。
フレームのトップチューブやダウンチューブには指定がない限りデカールを貼るつもりがないので、ヘッドチューブには、ARESBIKESのアイコンを、これもまたCNCで削りこんでいる。

この、二つのヘッドチューブは、それぞれ違うジオメトリーでフレームとなるが、一本限りのフレームに万が一のことを考え数本の部材を用意している。もし、何らかのトラブルで、このヘッドチューブやフレームチュービングが使用できなくなっても、予備を準備していることで大幅な時間のロスを防ぐためである。

この、二枚の写真は、同じもののように見え、拡大された写真のように見えるが、実はシートステー、チェーンステーともに違うサイズで加工されている。もちろん外観では見えないパイプ内側の加工もそれぞれのサイズにあった処理が行われている。ドロップエンドのアクスルサイズを見てもらっても10mmと14mmと違うことが確認してもらえるのではないでしょうか。

これは、シートクランプが取り付けられたシートチューブですが、かなり短く見えます。

まだ、トップチューブとダウンチューブの製作ができておらず、図面の製作から数え基本納期の３ヶ月を超えてしまっているのですが、発注いただいた方から、初めてのプロジェクトであることの理解を受け、「楽しみにしています」との声を頂戴し感謝しています。

ライダーが、ライディングに夢を持つように、私は製品をライダーへ届けることに情熱があります。以前にも書きましたが、この夢や情熱をサポートしてくれる、ライダー、関係各社に心から感謝します。

昨日、届いた写真。フロントトライアングルの溶接を開始した。

先ず、ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブとシートチューブをスポットに溶接する。一度で全てを溶接せずに、仮留めすることで、フレームの歪みをださないようにするため。

この状態で、フレームを治具にセットして各チュービングが適切な位置にあるかの確認作業を行います。

カスタムフレームの為、１本１本に要する工程は同じでも、パイプの準備から治具の設定まで全てが異なるので大変な作業と言える。

設計どおりであれば、再び溶接へと工程は進み、再度、治具にセットしてフレームを確認します。

ここまでに相当な時間が経過しましたが、溶接ができたのはフロントトライアングルのみでリアトライアングルは後日作業に入るということです。１本のフレームを製作するのに、私も今まで知らなかった工程も数多くあり、塗装されダンボールに入り届くフレームからは想像できない作業の数々です。