2018年モデルのサンプルバイクの確認に工場へ訪問した。
一番の大きな変更は工場。昨年まで生産してもらっていた工場から更に品質向上のために新たなチャレンジです。過去数年の間に何度も訪れた広東省エリアへは慣れたもので、8人乗りのアルファードの後部座席での3人がけ以外は大きなストレスを感じることもない。
このエリアへこだわる理由は、ARESBIKESで企画しアッセンブルしている多くのパーツは台湾製であり、コストだけに重点をおけば北部の天津市近郊などの工場で作られるパーツを使用すれば安く提供できるのかも知れないが、品質を重視すると台湾マネージメントの工場を選択し良い製品を届けたいと思うからです。
中国のレンタルサイクル(シェアバイク)のブームも大きく下降し、すでに数件の会社が倒産したと聞きました。うまそうな金のなる木を見つけると皆がそこに集まり食いつぶすまで作り続ける。どこか、不動産や株式などと同じように、最後の最後にハズレくじを誰かが引くまでそれは続くような投資のようです。ただ、その流れは欧米へ飛び火するようで中国からシェアバイクが輸出されると聞きました。
ボルボが内燃エンジンの開発をやめ、ポルシェはディーゼルエンジンの開発をストップ。化石燃料で動かす車にもデメリットが多いが、PHVや電気自動車ばかりの社会になった時の日本の高速道路の渋滞は想像できないようなことになっているかも知れません。日本はアシストバイクが好調なようですが、ヨーロッパのようにスクーターよりも高価な電気自転車が発売される日も近いのか、またはシェアバイクがシティサイクルのマーケットに取って変わるのか、いずれにしても個性や付加価値のないものは消えていくのかも知れません。
同じ色、同じ形の無数のうねりのように見える多くの組み立て待ちのフレーム。
IT革命で物事の多くが平均化された世の中にとって、価値が変化していくと思う。工場へは物作りに行くが、これからやらなければならないことが別にも見えたように思う。
いつも、前線で活躍している人々の他に、面白い人たちと出会えた。
この人は、ある部分に関してはとても優秀で熱を持って仕事しているなと思える年配の人だ。もう、25年以上もこの工場で働いているそうで、細かなパーツのことに関しては先生のようだった。もちろん、彼にはユーザーのニーズは関係なく機械的に何をどうすれば良くなるという考え方で説明をしてくれる。それを、ユーザーのニーズや目的とミックスして修正していく作業はとても楽しかった。
それぞれの仕事の役割で意見を交換し、知識が融合される。
到着日のディナーの席では、
この出張、もしくは工場変更がもしかすると失敗かとも思える事件があったが、自分の考えや思うことをストレートに話をすることで、問題解決が信じられないスピードで行えた。別に最初が肝心で威圧感を与えてやろうなんて気持ちは全くなく、ただただ今回の訪問の意図すること、仕事をやり切る思いをぶつけただけだった。
小さなミスや失敗は沢山あるし誰にもある。
最終日に予定どおり行えた撮影は思ったよりも時間がかかった。例えば、STNのロアーワイヤーはサンプルから1台を抜き取りワイヤーの長さを10mm短くした。せっかく組み付けたワイヤーを外して、同じワイヤーを全てのSTNにつけては撮影し、また外しては、次の1台に取り付け撮影という作業を繰り返した。100%はできなくても、100%を目指すことは可能だから妥協はしたくない。
それに、この面倒な作業と思われてしまうようなことも、喜んでやり遂げてくれるスタッフやパートナーがいることが、とても嬉しい。限られた時間の中で仕事を終えることができ笑顔で帰れた。
また、新しい扉を開く準備を続けていく。
Leave a reply