1月12日より、中国の広東州周辺へ仕事で出張に行ってきました。
この地域へは、2012年頃から取引先の工場へ商品管理のために行っています。
香港の空港へ到着し、真っ白な風景には驚きませんが、それでも夏は南風で、テレビのニュースでも話題になる、PM2.5の影響は南部地域は少ないものの、冬は北西の風の影響で晴れ間を見ることはなく、霧なのかPM2.5なのか判断できないのでマスクは常時つけています。
お隣の中国は近いようで遠く、飛行機に乗っている時間よりも、香港からのバスで目的地に向かう時間のほうが長く感じられ、毎回ですがホテルに到着するのは自宅を出てから、約10時間後の夕刻です。
木曜日からの出張ですが、土日や時間に関係なく工場で仕事をしてきました。
中国は旧正月休みを控え、工員も日に日に帰郷のために減っていき閑散としている中、初回入荷予定で組み立て待ちとなっている、ARESBKESの完成車を全て、自分の目と手で確認を行いました。
実際には手直しの必要な製品も少なくなく、検品には3日間を要し工場の社長、マネージャーを含めて品質向上のためのミーティングも行い、英語と中国語が入り混じった中、自分の想いを伝えてきました。毎回毎度、同じことであったとしても繰り返し、この作業を行うことが重要だと思っています。
ただ、工場の天井高くに並ぶ、組み立てライン待ちの、ARESBIKESのフレームを見ると疲れよりも、17年目に突入したことへの誇りと感動を感じます。
なかなか、言葉や民族的、道徳的な問題や、意思疎通できないこと、何度も繰り返さなければ理解してもらえないことも、全てを含めて、彼らが作業を行ってくれなければ、生産することはできないのです。20年ほど前に初めて訪れた中国とは、環境も人も大きく変わっている。中国人が日本で爆買いするとニュースになったりしますが、中国の物価は一部では台湾や日本よりも高く、賃金から考えると、とても厳しい生活をしていることも感じ取れます。多くの人たちは、子供を親族に預け出稼ぎで住み込みで働いている人が多く、政治によりルールが日常的に変わる社会の中で必死に生きている姿を見ると、日本が裕福と言うよりも中途半端に見えてしまいます。工場のある中国人は四川省が故郷で鉄道を利用して帰郷すると言っていましたが、それに要する時間は47時間だと言っていました。飛行機で飛べば数時間であると思いますが、新幹線でもなく、リクライニングのない、直角の座席の鉄道で、それだけの時間を要して故郷で待つ両親や子供に会いに帰るのです。
教育が行き届かず、モラルやルールを無視した目に余る行為もありますが、家族の大切さや愛情の大きさを同じように感じます。
昭和の風景に似た、路面にまで商品を並べたマーケットの人の勢いや、人混みの多さにも懐かしさを感じる。
日本は、最低なモラルやルールは守られていても、実際に自分の足で立ち、前進しているのかと自分自身でさえ考えさせられる。
雑誌も、インターネットも不自由なく利用できる環境では、それこそが無いと不安で情報を得れ無いことが増えているようにも思う。
Speak in your own words without quoting, Rather than reading books, break the wall in front of you
テレビや雑誌、ネットに書かれていることよりも、
自分自身で確かめ、経験すること、
本嫌いではないが、あまり本を読むことのない、私にとっては、どれだけ有名な本よりも、すり減った靴底のほうが大切です。
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